クリーンな政治とは「まつりごと」・モラル第一の怖さ

クリーンな政治はよい政治なのか_法人営業独言_タイトルアイコン 未分類

クリーンな政治が理想とされています、モラルこそ第一。
そろそろやめたらどうかと思います。

政治論ではない。営業が聞かされる「金のためにやっているんじゃない」というお談義と同じで、危険ですらある。

おそらくですがわが国の、少なくともメディアや知識人では、理想の国政は江戸時代です。

「金(かね)が目的ではない」のまやかし

法人営業は他の業種以上にかねが第一、手形が現金化するまで見届けて仕事です。
職業に貴賎はあって、洋の東西を問わず士は金をいやしむとされますから下です。

それはいいのですが、たまに勘違いするものが現れる。
営業相手に自分の仕事はかねが目的ではないと言い放つ。

しらふで世のため人のためを説くSDGS・ESG

多く飲んだ勢いですがSDGSやESG投資のようにしらふもいます。

勢いこんでいう。営業はお金第一の商売でしかも言い返しませんからこれは悪乗りですが、世間にはテレビで語り本まで出すものもいる。

こういってはなんですが、半人前の仕事か、あるいは人一倍かねや名誉への執心を隠していうものです。

営業以外は言うほうも言われるほうも気分がいいのが特徴で

いわゆる偽善ですがむしろまやかしに近い。

しがない渡世のおかげで、かねに厳しくないものは責任感もないと知りました。

金と名誉と権力から遠い政治家は役に立たない

金や名誉にひかれず生きるなど常人にはできません、そして見る限り常人の世の中です。

もしひかれないなら得体の知れない一生を送ることになる。家庭は持てず、そもそも家族のために身を屈する意味もわからないでしょう。

常人の世の中を利害調整してまわるのが政治家で、しかもわが国のGDPは世界第3位です。

ならば人一倍金と名誉と権力にかかわるはず。
金や権力にうとければものの役には立ちません、政治家の才能は特殊たるゆえんです。

「クリーンな政治」とはまつりごと・現代に神事を理想とする危険な幼稚さ

クリーンの意味は清廉潔白(せいれんけっぱく)ということで、モラルの高い人物による政治をいつも望んで新聞の記事は終わります。

政治のモラルが上がれば私のような氷河期世代とやらも生活が楽になるそうですが、クリーンが善政となる肝心の理由を読んだことがない。

ただ言う気持ちはわかる、名君が出て欲しいのです。民主主義でありながら。

「ヒーロー」「名君」英雄待望論・政治の理想は江戸時代のまま

大昔は政治を「まつりごと」といいました、文字通り神事で損得は入っていません。

くだって「御政道(ごせいどう)」です、江戸時代の官学は聖賢の道といい、清廉潔白を第一としました。おかげで徳川幕府は経済がわからず苦労したといいます。

今の世に経済がわからないでは話になりませんが、清廉潔白はいまだに続いております

海外通をもって任じるメディアと知識人ながら、こと政治に関しては朱子学のうわっつらです。

いつも名君・聖人君子やヒーローを待ち望んでいる。

だから芸人やスポーツ選手が選挙に出ればむしろ支持する。

ポリティクスとは主張と妥協・英雄待望論はポピュリズムの果て

こんにち国の経営とは多分欧米流でしょう、政治の訳語も仕組みも「Politics(ポリティクス)」です。

政治と訳されるので本邦と同じと勘違いをしていますが、現在もPoliticsに道徳の意味は薄い。
損得むき出しで言い張りあい、そして妥協することです。高度な妥協ほど腕前とされます。

政治家はむしろクリーンであってはいけないものです。

本場ではヒーローほど危険とされます、支持は常に幼稚だからです

ついでにいえば西欧ではヒトラーを例にとり英雄待望論はポピュリズムの恐ろしい結末としています。
かねとモラルという点で彼はクリーンで、人気の理由だったからです。旧ソ連や毛沢東も同じでした。

政治でクリーンは役立たず

清廉潔白にこだわるので新聞の政治欄はいつもわからない。政局といいつつ、いい人か悪い人かだけです。
だからたかが会食した程度の話を大事のごとく報じます

仕事柄言わせていただければ、明るいうちの交渉専門は仕事のできない見本で、政治の分野だけ例外とも思えません。

わかって言わない「清濁あわせのむ覚悟」の中身

その証拠にとうのメディアや知識人は思い出したように政治家は清濁併せ飲む覚悟がといっております。
「濁(だく)」というからには良くない話です。
必要とわかっていて詳しく言わない、モラル支持のほうが格好がいいからです。

汚れ仕事は誰かがしてくれるだろうとばかり世間をあおれば、いずれ本気にするものが現れます。
政治で「我こそは正義でありモラルとして正しい」などと思っているものは怖い。

正義なればこそ私刑もよし・モラル第一の政治がいきつく大衆扇動

兵庫県明石市長の泉 房穂氏はTwitterで川崎重工業の法人市民税を公表しました、市の資料をそのまま画像で投稿した。

「知る権利」は吊し上げの権利・SNSの勢いしだい

けしからんと思った相手の納税資料、しかも原本を公表するなど恐るべき話で

さらに法によらずTwitterで衆をたのんだのは私刑であり吊し上げですが

正義と思えば難なくできることです。

サイバーテロなら損得もあり相手を選ぶ、しかし自分が正義と思えば手当たり次第です
実際「知る権利」であり違法ではないと主張しています。

どこまで権利かわかりません、SNSの勢い次第でしょう。

けしからんとされたら自治体の個人情報は公表される

税金は個人情報の最たるもので、自治体の持つ情報はモラルと時の勢い次第で公開される例ができた。
正義のつもりの自治体首長が続いて出てくるでしょう。

けしからんと思った法人を公開して、気に入らない個人は公開しない保証がどこにありましょうか。

地元では人気があるから市長の気持ちもわかるなど、マスコミはお調子を合わせています。近く自分たちの手に負えなくなる時がくるでしょう、勢いは止まらない。政治とかねの話どころではない。

モラル第一やクリーンな政治なんてものは良政どころか実に怖いものです。

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